プロに任せる

自在人として、お金に働いてもらうには、プロに任せるのが最終的には一番ですね。

こんな記事がありました。

 

—–

失われた20年といわれる国の株式市場で、いまだに個人投資家が健在なのはなぜか?

 

東京国際大学の渡辺信一教授によれば、「直接金融の世界には、『狼』と『羊』しかいない」。

この場合、「狼」とはプロの投資家やヘッジファンドのような、証券のファンダメンタルズ・バリュー(理論価格)を知っている裁定取引業者(アービトラージャー)を指す。

一方、「羊」は個人投資家に代表される、価格の上下のみを見ている投機取引(スペキュレーター)だ。

 

この両者の関係は、実は持ちつ持たれつ。

「皮肉なことに、スペキュレーターがいなければ、裁定取引はできない。

スペキュレーターに期待されているのは、ファンダメンタルズに関係なく取引を繰り返し、裁定取引業者に収益のチャンスを与えること。

言いかえれば、何も知らない羊がいなければ、狼は生きていけない」(渡辺教授)。

 

しかし、個人投資家の中には、ひょっとしたら自分だけはマーケットに勝てるかもしれないという〝幻想〟があることが、結果として、市場の流動性を保証するとともに、真の価格を知っている裁定取引業者に利益を与え、最終的に証券価格を適正水準に引き戻す皮肉な役回りをしている。

 

「第一に、効率的市場仮説が正しいかどうかには議論もあるが、私は基本的には正しいと考えている。

仮説が意味するところは、まず、すべての事象は株価に織り込まれているので『株価を予測することには意味がない』ということ。

第二に、投資においては、長期に持てば持つほどリスクは減少するので、『短期で回転売買をすることは最悪の結果をもたらす』こと。

第三に『複数銘柄を持つ方がリスク分散になる』ことだ」(渡辺氏)。

 

これは現代の投資理論の常識であり、証券会社の人間が知らないわけがない。

しかし、証券会社は、相変わらず短期の回転売買を推奨するのが現実。

「証券会社の立場に立つと、顧客が銘柄選びを放棄して分散性の高い投資商品を買い、長期で持たれると営業が成り立たない。

日本の証券会社の営業スタンスは最悪。

そして銀行も例外ではない。

日本人は銀行員の言うことを信用してしまいがちだが、実際には素人が素人に営業しているようなものだ」(渡辺氏)。

 

最後に渡辺氏は、日本株に代替する投資先として、「リスク許容度の問題や時間分散効果、定額投資によるドルコスト平均法の効果などを考えると積立投資は勧めることができる。」と指摘した。

 

渡辺信一(わたなべ・しんいち)

東京国際大学商学部教授。1982年一橋大学法学部卒業。同年安田火災海上保険入社。88年ジャーディン・フレミンク証券会社入社。91年住友信託銀行入社。2001年熊本学園大学経済学部助教授、02年同教授。『金融工学 理論と現実』(2001年 ダイヤモンド社)、『金融工学と日本の証券市場』(2007年 日本評論社)など著書多数。