自在人になる前に、必ず陥ってしまう勘違いがあります。
それは間違った安定を求めることです。
そもそも安定ってなんでしょう。
私は、大学を卒業してから東芝という会社の中央研究所に就職しました。
そこでは半導体レーザーの基礎研究が行われていて、日夜研究に没頭していました。
月に何十時間もの残業もこなしてきました。
しかし当時、半導体不況があり、プロジェクトがなくなり、研究テーマも変更を余儀なくされました。
さらにサービス残業やボーナスカットに会い、頑張っているのに何かがおかしいと思うようになりました。
そして29歳のときに1つの変化があり、東芝を辞める決断をしました。
(この変化はまた機会がありましたら、書きたいと思います。)
しかしその時、上司と部長に会議室に呼ばれて、もっと待遇を考慮するから研究所に残ってほしいと言われました。
しかし私の意志は固く、絶対に辞めるというと、翌日に5冊の本を渡されました。
それは事業がいかに大変なのかが書かれているネガティブな本でした。
そして上司から、こう言われました。
『コネも営業経験もない我々みたいな研究者が、流行りに乗ってネットビジネスで独立してもうまくいくわけない。
会社は10年で90%、15年で99%が倒産するの知ってるのか?』
自分のことを思って言ってくれているのか、上司の保身のため言っているのかはわからないけど、独立していく部下に対して応援して欲しかったです。
更に、こう言われました。
『なぜ就職に東芝を選んだのかを思い出してみろ。
安定した上場企業に入りたいと望んでも、入れない人がいっぱいいるんだぞ。
せっかく入れたのに辞めるなんてもったいない。』
そして独立を選んで、上司の言う通りに、独立して2年で倒産を経験しました。
でも再起して、今では自在人になりました。
その過程で学んだことは、
【一般的な安定を目指すと、徐々に衰退する】
ということです。
安定は、
【安きに定まる】
と書きます。
高度成長していた時の日本ではこれでも良かったでしょう。
しかし経済が衰退しているときには、独楽のように自ら軸を決めて回し続けないと、いずれは倒れてしまいます。
私は本当の安定の定義は、以下のように感じています。
【一般の人が安定と定義している常識のちょっと外側で、自分の軸を持ち、同志で自在人という独楽を回しあうこと】
私は、自在人になるのに、1人では到底無理だったでしょう。
仲間がいたからここまでやってこれたと思います。
もし皆さんが安定したいと望んでいるなら、真の安定を目指してください。
そうすると、【安定が高定】に変わりますよ。